小さな国語塾のつぶやき
はばかる
先日、小学6年生のテキストの問で「はばかる」の意味を選択するというのがあった。文脈から「遠慮する」となり、新しい言葉として覚えるようにと生徒には伝えた。が、ふと「人目をはばかる(人目を気にする、遠慮する)」という使い方と「憎まれっ子世にはばかる(憎まれっ子は幅を利かせる、威張る)」という二種類の言い方があるのに気が付いた。しかもその二種類と言うのが全く意味が逆!ではないか。では、なぜこういうことになったのか?と調べてみた。もともと「はばかる」は「はばむ」と同源で「遠慮する」という意味で使われていたのだが、「はばかる」の「はば」を「幅」と捉えた誤活用によるらしい。「はばかる」には「遠慮する」以外にも「威張る」という意味があることを6年生に伝え、さらには慣用句そのものを覚えるよう指導予定。いやはや、無意識に使っている慣用句や言葉だが、じっくり向き合うと様々な発見があり興味深い。
2015/03/20 08:12
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