小さな国語塾のつぶやき
くくる
「高をくくる」(安易に予測したり、たいしたことはないだろうと侮ること)、「腹をくくる」(覚悟を決める、いかなる事態にもひるまないように心を固める)。どちらの慣用句にも「くくる」という言葉が入ることもあり、混同して使ってしまうことがある。さて、「くくる」という単語自体の意味は、『縛る』『(縄などで)結ぶ』『まとめる』となり、「高」は『生産高』『残高』などの物の数量を見積もったものや金額のこと⇒「高をくくる」とは『この程度(高)だろうと見積もる(まとめる)』⇒安易に予測したり侮ったりするという意味に発展。また、昔の日本人は和服を着ていた⇒『覚悟を決める時に帯を締めなおす』⇒「腹をくくる」となるという意味に発展。同じ「くくる」でも前にどんな言葉がくるかで全く別の意味になる。来年度に受験を控えている学年は特に、「この程度でいいだろう」と「高をくくる」のではなく、「地道に努力しよう」と「腹をくくる」ことを心がけてほしい。
2015/03/18 12:12
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