小さな国語塾のつぶやき
美しい日本語
ここ2,3日はまっている本は「歌舞伎座の怪人」(二代目中村獅童著)である。若手歌舞伎俳優のエッセイなのだが・・・内容はもちろんのこと「日本語が美しい」ということに引き込まれる。例えば「近松門左衛門は当月二十二日に亡くなられました」「演じさせていただきました」「父三喜雄が永眠したのは・・・」「お怒りを静め、最期までお聞きください」などなど挙げればきりがない。歌舞伎にかかわる先人、自分の身内、世の中の人それぞれに敬意を払い、それを見事な日本語で表現しているのである。一般的には「近松門左衛門は…亡くなりました」「演じました」「父が亡くなったのは」「怒らずに最後まで聞いて下さい」と、とりあえず丁寧語を並べておけば無難だろうといった表現になるのがオチ。私生活はともかくとして、芸に対しての真摯な姿勢が「日本語の美しさ」から伝わってくる。「言葉」に込める気持ち、使い方は大切だと改めて気づかされる一冊。
2015/02/10 02:03
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