小さな国語塾のつぶやき
老人力
「老人力」という言葉を生み出した、前衛芸術家や作家である赤瀬川源平氏が26日に77歳で亡くなった。「老人力」とは高齢化することにより陥る、もの忘れなどのマイナス面を、逆に老人にしか獲得できない「力(能力)」と肯定的に解釈して、その状態を余裕をもって楽しむことを提案したもの。斬新な視点、常にユーモアを絶やさない点にはただただ感服。これらの才能はむろん天性のものだろうが、それらを保つためのたゆまない努力があったように見受けられる。『作品は肩の力が抜け緩そうに見えるが、2Bのシャープペンで書きつづる執筆では一字一句にこだわり、小さな修正も厳しく抵抗した。昨年夏、入院先で妻の尚子さんに「赤瀬川原平をやめようかな」と漏らした。脳卒中の後、友人には「言葉の面白さがわからなくなった」と話している。』(毎日新聞より)多面的な視点を養うためには常に「違う方向から見る」「何か面白いことはないか」とアンテナを張り、楽しむことが大切だと思う今日この頃。
2014/10/28 12:52
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